病院・クリニックにおけるカスタマーハラスメントの現状
~日本の医療機関が直面する、かつてない離職の危機~
いま、日本の医療現場は限界を迎えています。
最新の調査では、医療職場で働く組合員の77%が「職場を辞めたい」と感じているという衝撃的な実態が明らかになりました。
その背景にある深刻な要因の一つが、患者やその家族によるカスタマーハラスメントです。
かつて「やりがい」や「責任感」で支えられてきた医療現場は、今ややりがいだけでは働き続けることができないほど過酷な現状に置かれています。
85%以上の施設で発生している「暴力とハラスメント」
ハラスメントは、もはや一部の特殊な事例ではありません。
医療施設の85.5%において、患者や家族による身体的暴力、精神的暴力、セクシュアルハラスメントのいずれかが報告されています。
具体的な被害内容は多岐にわたり、暴言(83.3%)、威嚇・脅迫(45.6%)、小突く・叩くなどの暴力行為(41.2%)、さらにはセクシュアルハラスメント(24.4%)が高い割合で発生しています。
これらのハラスメント行為は医療従事者の業務を妨げるだけでなく、職員の安全と尊厳を著しく傷つける重大な侵害行為です。
氷山の一角にすぎない報告件数
さらに深刻なのは、表面化している被害は氷山の一角にすぎないという点です。看護管理者の77.8%が「報告されていない潜在的な暴力等がある」と回答しており、現場の職員が「患者だから仕方ない」「病気のせいだ」と諦め、一人で耐え忍んでいる実態が浮き彫りになっています。
職員の心身を蝕み、経営を揺るがす甚大な影響
カスハラがもたらす代償は、決して小さくありません。
現に、被害を受けた職員の約半数(47.1%)が「出勤が憂鬱」不眠や仕事への集中力低下に苦しんでいます。
実際に、ハラスメントが原因で休職や離職に至るケースも後を絶ちません。
深刻なケースではPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する職員もおり、その影響は個人にとどまらず、病院の安全体制そのものを揺るがす経営課題となっています。
カスタマーハラスメント対策は病院の安全配慮義務の履行にあたって必須
従業員をカスタマーハラスメントから守ることは使用者にとって安全配慮義務の履行として重要であることは従前から変わりがありません。
もっとも、カスハラ対策法の施行を受けて、使用者は個々の事案に対処するだけでは足りず、カスタマーハラスメントに対する対応方針を決定し、各従業員が個々の事案でどのように対処するべきであるのかをマニュアルによって示し、事案が発生してしまった場合にはいつでも従業員が相談できる体制を整備することが義務付けられました(ハラスメント相談窓口の設置)。
すなわち、病院はカスタマーハラスメントが発生する度に対処することでは足りず、従業員がカスタマーハラスメントの被害に遭わないような体制整備をすることが求められるのです。
そして、これらのカスタマーハラスメント対策が実施されていることが、従業員の離職を防止するために必須の対策といえます。
弁護士による介入が、現場の「盾」となる
医療現場には、暴力を絶対に許さないという組織的な姿勢と、職員が安心して報告できるシステムの整備が急務です。
しかし、院内のマニュアル整備や相談窓口の設置は未だ十分とはいえず、多くの現場が対応に苦慮しています。
当事務所は、医療機関が抱えるこれらの問題に対し、法的な観点から実効性のある対策を提供します。弁護士が介入することで、理不尽な要求に対する法的な「盾」となり、病院にとって大切な職員の心と、ひいては地域の医療提供体制を守り抜きます。
蔓延するカスタマーハラスメントという現場の危機に、法的専門性で対処する
当事務所では、創業以来クレーム対応・カスタマーハラスメント対策を主たる業務内容として多くの企業、病院のご相談を受けてまいりました。
創業当時は「カスタマーハラスメント」という用語すらなく、クレーム対応を業務内容として掲げている法律事務所もほとんどありませんでした。
その頃からすれば、各種報道などで「カスタマーハラスメント」という言葉を日々目にする昨今の状況には大きな社会の変化を感じます。
もっとも、日々病院からご相談いただく中で実感するのは、カスタマーハラスメントに対して何らかの対策をしなくてはならないと考えている病院は多いものの、実際に具体的な対策を講じている病院はまだそれほど多くないということです。
各病院には病院毎、診療科毎、患者毎の特性、カスタマーハラスメントの特徴があり、カスハラ対応マニュアルやカスタマーハラスメント対応体制も各現場の実態に合わせたものとしなければ、カスタマーハラスメント被害はなくなりません。
当事務所では年間300件を超える全国の病院からのカスタマーハラスメント相談をお受けしており、多くの事例の集積と事案の解決実績がございます。
まずは一度カスタマーハラスメント対策についてご相談ください。
全国の病院からのご相談をお待ちしております。
