カスハラ相談窓口

カスハラ相談窓口の必要性

令和8年10月施行のカスハラ対策法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)においては、「事業主は、職場において行われる顧客・・・等の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、労働者の就業環境を害する当該顧客等言動への対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」として(法33条第1項)、カスタマーハラスメントに遭った従業員が相談できるための窓口の設置を求めています。

また、令和7年12月に厚生労働省が発した「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)についてにおいても、カスタマーハラスメントに関して従業員の相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備について記載がなされています。

なぜ、カスタマーハラスメントの相談窓口が必要なのでしょうか。
この点、数多くのカスタマーハラスメント案件の対応をしている当事務所の実務感覚として、カスタマーハラスメントは、事案発生時に経営陣や本社管理部門に認識されることは割合として多くなく、経営陣や本社管理部門が事案発生を認識する案件は現場では対応がしきれなくなった重大事案であるとか、直接本社やカスタマーセンターに苦情が寄せられてカスタマーハラスメントに発展した事案であって、現場で発生したカスタマーハラスメントの多くを経営陣は認識すらしていないというのが実態です。

カスタマーハラスメント対策は離職防止策

そして、経営陣にも認識されないカスタマーハラスメントについて、現場で被害に遭った従業員の多くは、理不尽な被害を「業務に伴う仕方のないもの」として受容している場合が多いですが、カスタマーハラスメントの被害が受忍限度を超えたとき、特に経営陣に理由を告げることなく退職していくということになります。

現に、様々な業種で現場スタッフにカスタマーハラスメントに関するアンケートをとると、多くの従業員がカスタマーハラスメントを受けながら会社に申告をしていないことが明らかとなります。
以上のように、カスタマーハラスメント対策は従業員の離職防止の一環として極めて重要な一面を持ちます。

カスタマーハラスメント対策を怠ることは損害賠償の原因に

更に、カスタマーハラスメント対策を怠ることは、従業員の離職を招くのみならず、今後は従業員から会社に対する損害賠償請求の原因となることが予想されます。
すなわち、従業員が業務に関連して疾病、傷害等を負った場合、業務起因性がある場合には労災となります。そして、カスタマーハラスメントによって理不尽な被害に遭った従業員がそれを理由に精神疾患等に罹患した場合、業務起因性が認められる可能性が高いといえます。現に、厚生労働省の心理的負荷による精神障害の認定基準においても、顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為が具体的出来事として加えられました。

この点、労災が発生した場合に、当該労災発生に企業(使用者)の安全配慮義務違反が認められる場合には、企業は労災保険によってカバーされなかった損害について賠償義務を負います。
そして、カスハラ対策法が施行されたことにより、企業にはカスタマーハラスメントに対する雇用管理上必要な措置が求められたため、カスタマーハラスメントの発生をいち早く察知して是正・対応する機能を備えていないことは企業の安全配慮義務違反に直結するリスクが高まったといえます。

以上から、カスタマーハラスメントは企業にとって損害賠償リスクの要因となるといえ、企業としては安全配慮義務の履行としてカスタマーハラスメント相談窓口の設置が必須といえます。

社内相談窓口と社外相談窓口の違い

では、カスタマーハラスメント相談窓口は、各企業のどのような部署や組織が対応するべきなのでしょうか。
この点、費用面で考えると社内の人員による相談窓口が安価であり、また、社内事情にも詳しいというメリットがあるといえます。
もっとも、カスタマーハラスメントに該当するか否かの判断には法的な知見を要するため、相談窓口を社内人材とするのであれば、社内弁護士又は法務部等の法的知見を有する人材によって対応することが必要となります。また、従業員の中には、社内の人材にハラスメントの被害を説明することに抵抗を感じる人がいることも事実であり、社内人材が相談窓口になる場合には中立公正な対応と情報の漏洩がないことの徹底を周知することが必須となります。

他方、以上のような法的知見を有する人材が社内に不在の場合や、社外人材による相談窓口によって従業員の相談しやすさを担保するという観点からは、社外の相談窓口を検討する必要があります。
この場合、カスタマーハラスメントは顧客等との法的紛争に発展する可能性が高く、場合によっては刑事法の知識も必要となることから、弁護士による相談窓口を選定するのが適切といえます。

当事務所のカスハラ相談窓口

当事務所は、創業以来クレーム、カスタマーハラスメント対応を主たる取扱業務としており、カスタマーハラスメントに関して数多の案件処理を経験しています。
また、数多くのカスタマーハラスメント対応顧問契約を締結しているため、様々な業種の特性に応じたカスタマーハラスメント対応に関する知見が豊富です。

是非一度、カスタマーハラスメント相談窓口についてご相談ください。

お問い合わせ

tel icon
03-5447-7735
9:00~18:00
ページトップへ